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能登に伝わる厄除け神事。400年の歴史がある「面様年頭」

2022.01.22 Festival


新年を迎え、早3週間。しばらく雪の日が続き、少しずつ冬の寒さにも慣れてた。暖冬でほとんど雪が降らなかった数年前と比べると、今シーズンは「冬らしい冬」を感じている。雪の日の写真はタイミングが合わず、まだ満足いくほど撮れていないが、残りの雪シーズンも楽しみたい。

さて、2022年に入り、アマメハギ(石川県輪島市)と弥栄太鼓初打奉納(石川県能登町)の神事などを撮影してきたが、今回は輪島市で1月14日と20日に開催された「面様年頭(めんさまねんとう)」の撮影に行ってきたので紹介したい。

面様年頭(めんさまねんとう)とは

面様年頭は、輪島市輪島崎町(輪島崎神社)と河井町(重蔵神社)で行われる。2018年には「来訪神:仮面・仮装の神々」の一つとして、ユネスコ無形文化遺産に登録(登録名:能登のアマメハギ)。毎年1月14日と20日に行われ、14日は「おいで面様」、20日は「お帰り面様」とも呼ばれている。

今回は輪島崎神社の面様年頭へ行ってきた。輪島崎神社では、地元の小学生が「面様(夫婦の神様)」に扮して、地域の家々の厄払いをする。彼らは4人1組(面様2・サポート2)となり、1日に約150軒の家々をまわる。寒空の中「めんさまねんと〜」と大声を出し、玄関の戸を「さかき」の枝で清める姿を見ていると、地域に根付いた神事を目の前にして、どこか温かい気持ちにさせてくれた。

神事スナップ

面様年頭は400年以上も前から伝わる新年の厄除けの神事として知られ、僕は4年前から撮影している。僕の撮影年月は神事の歴史からするとまだまだ浅いが、面様の衣装が好きで、漁師町である輪島崎町を行く様はとても絵になるのだ。

輪島崎町は小路がたくさんあり、狭い道を行く面様はとてもカッコイイ。能登地方の中では、ストリートスナップを撮りやすい場所の一つだと思っているので、こうして神事と組み合わせて撮ることができて、本当に楽しい時間だった。

ちなみにここまで写真を見ていただいた中で、いつも僕の写真を見てくださっている方ならお気付きの方もいるかもしれないが、何かを変えていきたくて今回から写真加工を変えてみている。マットな質感にすることで、神事の重厚感を出せればと思った。

Adobe Lightroom を使用し始めた当初から、VSCOなどのプリセットを使用することが多かったが、実は2年前からそれらはほとんど使用せず、オリジナルのプリセットを使用していた。何年か周期にくる、僕自身の中での流行り廃りの話ではあるが、これから少し変えていこうと思っている。

マットなテイストは、ダークな写真が多い僕としては雰囲気の相性も良いと思うので、こういう神事などの撮影では活かしていきたい。

面様年頭が行われた2日間の気温は0度近く。時折強く雪の降る時間もあり、朝から1日中外にいるのはなかなか厳しいものだったが、僕よりも薄着で家々をまわっている面様たちにとってはもっと厳しかったと思うので、本当に頭が上がらない。関係者の方には「寒い中、本当にお疲れ様でした」と伝えたい。

地域とフォトグラファーの関わり

前述したように輪島崎神社の面様年頭を撮影するのは、今年で4年目だった。何度も足を運ぶことによって、宮司さんや地域の方々、そして子供たちにも「昨年も撮りに来ていた人だね」と覚えていただくようになった。

嬉しかったのは、昨年子供たちが親御さんを通じて僕のSNSを見てくださったようで、自分たち(面様)が写った写真を「めっちゃカッコ良かった」と喜んでくれていたことだ。「今日撮った写真はTwitterにあげるの?」なんて聞かれると、こちらも俄然気合が入った。

地域の行事への参加をすることは、正直なところ、時に億劫に感じられる場合もあると思うが、地域の子供たち自身が面様年頭という神事を大切にしていて、誇りに思っている。僕は神事を記録し、フォトグラファーという立場で地域と関わっていければと思っているが、いつか地域の子供たちが大きくなって、自分たちの「面様」の写真を見返したとき「これはフォトグラファー吉岡栄一さんが撮ってくれた写真なんだ」と喜んでもらえるように、僕自身も成長していきたい。